AIへ興味を抱いたり、知る必要性を感じた方へ、まずはAIと生成AIの違いについて初心者でも分かりやすいように解説します。
・AIとは?生成AIとは?
・ChatGPTはAIなのか?生成AIなのか?
・生成AIにはどのようなものがあるのか?
これまでAIや生成AIについて、興味はあっても難しそうだったり、自分には関係なさそうだと、なんとなく遠ざけていませんでしたか。
そして今、ビジネスや生活に活用したいと考えているのではないでしょうか。
どうしてもAIは海外のサービスがメインとなるため、英語表記でわかりにくかったり、専門用語が多すぎて内容が理解できなかったりと、ハードルを高く感じるかもしれません。
本記事では、よく耳にするであろう「AI」と「生成AI」というワードについて、解説しています。
最後までお読みいただくことで、AIや生成AIに違いはあるのか、それぞれどのような存在なのかがわかります。AIの基本知識を理解していきましょう。
AIと生成AIの違いについて
AIと生成AIの違いについて、結論からお伝えします。
ここでいうAIとはAI技術全般のことを指し、生成AIは多々あるAI技術の中の一つです。
そして生成AIは、2022年11月にアメリカのOpenAIが「ChatGPT」とう生成AIサービスをリリースしたことにより注目され、広く浸透していきました。
そもそも、AIとは?
そもそも、AIとはなんでしょうか?
AIとはArtificial Intelligence(=人工知能)の略で、人間と同じように考え・学ぶことができるコンピューター技術のことです。
AIは大きく2つに分類されることが多く、ナローAI(狭義型・特化型)と汎用AI(AGIやジェネラルAIとも呼ばれる)と言います。
現在世界で活用されているAI技術はナローAIのことであり、例えば文章を書く、画像や音声を認識するなど、特定のタスクに特化したAI技術のことを表します。
つまり現在のAI技術は、あらかじめ決められた範囲のタスクのみこなすことが可能です。
それに対して、汎用AIとは人間と同じように複数のタスクを処理することが可能となります。
汎用AIは人間のように学び、進化することが可能であり、例えるなら、ドラえもんやターミネーターといったロボットです。
ただし汎用AIは、現在の技術ではまだ実現していません。
汎用AI(AGI)については、2023年にソフトバンクの孫社長が「AGIは10年以内にやってくる」と講演でお話しされているのが話題になりました。
参考:AIは「AGI」へと進化し、今後10年で全人類の叡智の10倍を超える。孫正義 特別講演レポート
ナローAIという単語自体を覚える必要はありませんが、現代の技術では、AIは限られたタスクに特化した技術であることを理解しておきましょう。
生成AIに関する基本知識
生成AI(=Generative AI)とは、文章や画像、音楽、動画などを生成することができるAI技術です。
近年ではコンピューターに関する専門的な知識や技術がなくても、誰でも簡単に扱える生成AIサービスが登場し、多くの人が生成AIを使用するようになりました。
代表的なサービスが、CHatGPT(文章生成)やMidjourney(画像生成)です。
日本語を入力しAIに指示を出すことで、指示内容に沿った文章や画像を生成できます。
コードを覚える必要がないため、知識がなくてもすぐに利用することが可能です。
生成AIの代表的なサービス紹介(2024年9月最新)
生成AIについて少しわかってきたところで、代表的なサービスをご紹介します。
こちらはアカウントの作成は必要ですが無料でも使用できるので、生成AIを使ったことがない場合はぜひ体験してみてください。
文章を生成するAIサービス
ChatGPT(チャットジーピーティー)
OpenAI社が提供する対話型AIチャットサービスです。
生成AIといえばCHatGPTを思い浮かべる人も多いほど、広く浸透している有名AIサービスです。
入力した文章に対して、自然な会話形式で回答してくれます。
無料版だと利用制限がありますが、現在は画像生成も可能です。
Claude(クロード)
ChatGPTと比較されることの多い、対話型AIチャットサービスです。(Anthropic社提供)
チャット形式で指示を出すと、自然な日本語で回答してくれるのが特徴です。
Claudeの方がCHatGPTよりも日本語が自然で違和感がないと言われていますので、ぜひどちらも試してみてください。
画像を生成するAIサービス
Adobe Firefly(アドビファイヤーフライ)
PhotoshopやIllustratorで有名なAdobe社が提供する、2023年3月リリースの画像生成AIです。
人に話しかけるような感覚でイメージの指示をだすだけで、思い描いている画像を生成してくれます。
Fireflyは画像生成AIで課題となる著作権問題をクリアしており、商用利用可能というのが大きなポイントです。
参考:Adobe Firefly
「長靴を抱えた猫が、リンゴをもちながら、木陰に座っているイラスト。水彩画タッチで。」と指示をだしたところ、下図のように画像生成ができました。
Bing Image Creator(イメージクリエイター)
Microsoft社が提供する無料で使える画像生成ツールです。
利用にはマイクロソフトのアカウント登録が必要となります。
日本語で指示を出して、お手軽に希望する画像を生成することが可能です。
ただし商用利用が不可となっているため、取り扱いには注意してください。
音楽を生成するAIサービス
Suno(スノー)
歌詞を入力すると、それに合わせた音楽と歌声が生成できるAIサービスです。
サイトが英語表記のため、ハードルを感じるかもしれませんが無料でも利用できます。
例えば、ChatGPTで歌詞を生成して、Sunoで歌ってもらうという使い方が可能です。
とはいえ、生成AIサービスもたくさんあり、出来ることもたくさんあるため、
「生成AIを使って何をしたらいいのかわからない」という方もいらっしゃると思います。
そこで、生成AIを始めて使うという方は、まずはChatGPTを普段の生活で使ってみるのがおすすめです。
ChatGPTを普段の生活で使ってみた
「はじめて生成AIを使うため、何で使えばいいのかわからない」という方は、まずChatGPTに対して、Google検索をする容量で色々質問してみましょう。
例えば、CHatGPTに依頼して料理のレシピを生成することが可能です。
冷蔵庫にある食材をいくつか入力して、献立を考えてもらいましょう。
上図のように、
「冷蔵庫の中にある物 人参、キャベツ、小松菜、卵、トマト、豚肉、牛乳 今晩のおかずを提案してください」と入力してみてください。
たったこれだけで、ChatGPTが複数の料理とレシピを提案してくれます。
入力する文章もこれぐらい簡単な内容で大丈夫です。
また、図ではパソコン版の画面ですが、スマートフォンのアプリでもChatGPTは使用可能です。
普段の生活の中でChatGPTを使うことからはじめ、生成AIに指示文を入力して回答を生成するという作業に慣れていきましょう。
生成AIを使う際の3つの注意点
万能に思われがちな生成AIですが、使用する際には気を付けるべき点がいくつかあります。
今回は初心者が知っておくべき3つの注意点をお伝えします。
注意点1:適切な指示出しを行うこと
生成AIは、入力された情報に基づいて回答(文章や画像など)を生成します。
そのためAIへ指示を出すための文章が正確であればあるほど、きちんとした回答を得ることが可能です。
反対に、指示文が整っていないと欲しい誤った回答だったり、十分な回答が得られない可能性があります。
生成AIを使用するうえでは、論理的で適確な指示を出せる指示文作成スキルが求められます。
補足:AIへだす指示文のことをプロンプト(Prompt)といいます。こちらのスキルは内容が深くなるため、本記事ではここまでの情報となります。
注意点2:計算が苦手
AIはコンピューターなのだから計算は得意だろうと思いがちですが、実はChatGPTの苦手分野でもあります。
実際の計算結果画面をご覧ください。
111111×909の計算をお願いしましたが、誤った回答が返ってきました。
(正解は100,999,899です)
生成AIは100%正しい回答を返してくれるわけではないと理解しておきましょう。
注意点3:生成された回答を正しく評価すること
計算に限らず、AIが生成するもの全てが正しいとは限りません。
AIは膨大なデータベースから最適な回答を生成してくれますが、その情報が必ずしも正確で最新とは限りません。
生成された文章や画像が正しいものか、著作権を侵害していないか、また社会的に問題がないかなど、AIを使用する人間が評価しなければなりません。
また事実ではないにもかかわらず、本当であるかのように回答を生成してしまう現象を「ハルシネーション」といい、AIにおける課題の一つとされています。
まとめ
生成AIとはAI技術の1つの種類です。
2024年9月現在では、ChatGPTをはじめ数多くの生成AIサービスが提供されています。
「AIに対して興味はあるけど、あまりよくわからず手を出せなかった」という方も、本記事で紹介している無料で使える生成AIサービスをまずは試してみてください。
AIを使いこなしてビジネスや生活に役立てていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。