仕事などで役立てるために、巷で話題の生成AIを取り入れて業務への活用を試みてはみたものの、期待していたレベルの回答が引き出せなかったという経験はありませんか?
従来通りのやり方と比較すると、結局生成AIを使っても業務を効率化できた実感を得られなかったのではないでしょうか。
さらに、生成AIやプロンプトについて1から学んでマスターする余裕はないし、そこまでリソースをさくのは難しいというのが実際のところだと思います。
今回はロールプレイプロンプト(Role-Play Prompt)というものを取り入れた場合、回答精度がどの程度変わるのか確かめるため、実際にChatGPTへ質問してみました。
プロンプトの事前知識や学習は不要で、「○○式プロンプト」という響きにアレルギーを感じてしまう方におすすめの方法です。
誰でも扱えるプロンプトですので、回答精度を上げるコツを知りたい!という方はぜひご覧ください。
プロンプトとは、生成AIに何をすべきか指示を出すための文章のことです。
プロンプト次第で生成AIの回答が変わるため、適切な文章構成と言葉を選び、指示を出すことが重要となります。
結論、ロールプレイプロンプトは有効でした!
今回の結論ですが、ロールプレイプロンプトは回答精度を上げるためには有効でした。
しかも、いつもの質問に2つ情報を足すだけのシンプルなプロンプトですので、事前の特別な知識や学習はせずとも、この記事を読み進めていただければ誰でも取り入れられます。
記事の後半は、実際にChatGPTでロールプレイプロンプトを使った場合と、使わなかった場合の回答を載せておきますのでご確認ください。
ロールプレイプロンプトとは
ロールプレイプロンプトとは、AIに特定の役割や人格を与えて、その設定に基づいて会話や回答を生成させることができます。
つまり、「営業担当」や「先生」など役割を指定することで、AIがその役になりきって対応してくれるのです。
AIが役なりきり話しをしてくれるため、このロールプレイプロンプトは、作家がキャラクターや物語のアイデアを練るために活用されたり、ビジネスの分野では営業のロールプレイでも活用されたりしています。
今回は、ロールプレイプロントを使ってAIに役になりきってもらうことで、顧客対応業務で活用できるレベルまで回答精度を上げられるのか、確認しました。
そもそもChatGPTの回答がイマイチな原因
そもそもChatGPTというのは、人に例えると【医師国家試験に受かるぐらい、とてつもなく優秀な新入社員】であり、わたしたちは上司と部下の関係みたいなものです。
ChatGPTは新入社員ですので、膨大な知識は持っているのですが、その知識をどう使って役立てたらいいのか教えてあげなければ使えません。
そのため、上司であるわたしたちは、新入社員のあるChatGPTへ適切な指示出しが求められます。
つまり、ChatGPTの回答がイマイチということは、わたしたちの指示がイマイチだということです。
そこで登場するのがプロンプトですが、プロンプトについては奥深く、「○○式」といった手法も情報も沢山あふれていて、どこから手を付けてみようか考えるのも一苦労です。
本記事では、そういったプロンプトの知識を学ばずとも使えるように解説しています。
ロールプレイプロンプトの例文
あなたは優れた○○です。
いつも適確に○○をしています。
(以下に質問)
従来の質問の前に、以下の2つの情報をセッティングしましょう。
ChatGPTにあなたは「優れた」「プロの」○○ですよと役を設定してあげる。
「いつも適確に○○しています」といつも何をしているのか教えてあげる。
この2つの情報をセッティングすることで、蓄積している膨大なデータから、役に一番合う回答を生成してくれます。
人間も、たとえ同じ質問をしても、人それぞれ回答が異なるものです。
ChatGPTもどんな人物が回答しているのかを適確に設定してあげることで、役になり切ってくれるため、わたしたちは、どんな人に回答して欲しいか考えて役の設定をしてあげましょう。
【実例】ロールプレイプロンプトあり・なしの違い
さっそく、ロールプレイプロンプトを使った場合と、使わない場合の回答結果の違いを確認してみましょう。
カスタマーサポート担当編
カスタマーサポートの仕事で使用することを想定して、ChatGPTへ質問しました。
内容は、お客様のお問合せに対する返信用のメールを作成してもらうものです。
いつも正しくお客様対応をしています。
商品が届かないというお問合せがありました。
返信用のメールを作成してください。
ロールプレイプロンプトを使わない場合の回答も、もちろん誤りではありませんが、事務的で少し他人事のような言い回しになっている個所があります。
それに対して、ロールプレイプロンプトを使った場合は、相手の気持ちに寄り添っていることが文面から感じられます。
カスタマーサポートのお仕事ですので、お客様に誠意をもって対応することは必須です。
従って、ロールプレイプロンプトを使った方がより実務で活用できるといえます。
ちなみにどちらもメールですので、文末の「敬具」は不要です。このあたりは生成AIが完璧ではないとう表れでもあります。
不動産営業担当編
もう一つ、事例をご紹介します。
今度は、不動産営業担当を想定し、新築マンションの購入を検討しているお客様への対応方法を聞いてみました。
どのように回答しますか。
売上はトップクラスで、顧客満足度も非常に高く、いつも確実に満足いただけるような顧客対応をしています。
新築マンションを案内したところ、気に入っているが駅からの距離が気になると言われました。
どのように回答しますか。
こちらも、ロールプレイプロンプトを使った場合の方が、より実践的でわかりやすい回答をしてくれました。
まとめ
ロールプレイプロンプトを使うことで、これまでイマイチだったChatGPTの回答精度を、ぐっと引き上げることが可能です。
ロールプレイプロンプトは難しく考える必要はなく、どんな役割の人にどんな回答を作って欲しいか設定します。
実際の場面で、本来だったらどんな人物像に相談するか考えてみればわかりやすいです。
ぜひ、今日から実践してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。